平成18年10月27日 厚生労働省報道発表資料 (別添1) |
労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準 |
しかしながら、現状をみると、労働時間の把握に係る自己申告制(労働者が自己の労働時間を自主的に申告することにより労働時間を把握するもの。以下同じ)の不適切な運用に伴い、割増賃金の未払いや過重な長時間労働といった問題が生じているなど、使用者が労働時間を適切に管理していない状況もみられるところである。 こうした中で、中央労働基準審議会においても平成12年11月30日に「時間外・休日・深夜労働の割増賃金を含めた賃金を全額支払うなど労働基準法の規定に違反しないようにするため、使用者が始業、就業時刻を把握し、労働時間を管理することを同法が当然の前提としていることから、この前提を改めて明確にし、始業、終業時刻の把握に関して、事業主が講ずべき措置を明らかにした上で適切な指導を行うなど、現行法の履行を確保する観点から所要の措置を講ずることが適当である。」との建議がなされたところである。 このため、本基準において、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置を具体的に明らかにすることにより、労働時間の適正な管理の促進を図り、もって労働基準法の遵守に資するものとする。
また、本基準に基づき使用者(使用者から労働時間を管理する権限の委譲を受けた者を含む。以下同じ。)が労働時間の適正な把握を行うべき対象労働者は、いわゆる管理監督者及びみなし労働時間制が適用される労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る。)を除くすべての者とすること。 なお、本基準の適用から除外する労働者についても、健康保護を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務があること。
使用者は労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認しこれを記録すること。 (2) 始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法 使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
(3) 自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置 上記(2)の方法によることなく自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずること。
(4) 労働時間の記録に関する書類の保存 労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存すること。 (5) 労働時間を管理する者の職務 事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握等及びその解消を図ること。 (6) 労働時間短縮推進委員会等の活用 事業場の労働時間管理の状況を踏まえ、必要に応じ労働時間短縮推進委員会等の労使協議組織を活用し、労働時間管理の現状を把握の上、労働時間管理上の問題点及びその解消策等の検討を行うこと。 |