勤怠管理コーヒーブレイク

リモートワーク導入時の課題と環境整備について

2019年4月に施行された働き方改革関連法案と、2019年末から世界中に蔓延した新型コロナウィルスの影響が相まって、リモートワークの導入が急速に進んでいます。

新型コロナウィルスによる自粛生活の中では、リモートワークを社内に根付かせなければならないというプレッシャーを感じられた方も多いのではないでしょうか。

今回は、リモートワーク導入時に起こりうる問題点を明らかにし、リモートワークを社内に根付かせるための準備について具体例も交えて説明していきます。



リモートワークを導入する際の課題とは


実際にリモートワークを導入することになった場合、考えられる社内で解決すべき課題は次のとおりです。

▼社員同士のコミュニケーションの取り方
同じ空間で顔を合わせてすぐに話ができる状況から、敢えてメッセージや電話のやり取りをしなければ対話ができなくなることで、コミュニケーション不足に陥りやすくなります。

▼勤怠管理や人事評価の方法
出退勤、休憩、残業といった社員それぞれの状況を管理する方法も、これまで通りとはいかなくなる可能性が高いでしょう。また、勤務状況が見えないことから人事評価制度についても見直しが求められます。

▼セキュリティシステムの見直し
社外で業務を行うということは、セキュリティシステムや個人情報・機密情報などの取り扱いについても、新たなルールや体制作り、環境の見直し・整備が必要となります。これらの課題については、社内のセキュリティ環境の整備を行うことで概ね解決できます。



リモートワークのための環境整備のポイント


社内の環境整備は、初めに最低限の¬リモートワークができる環境を整えてから段階的に解決していくことも可能です。

ここからはリモートワークを導入し、常態化させていくための環境整備のポイントを紹介します。

▼リモートワーク下に適したコミュニケーションのあり方と教育方針の再整備
リモートワーク下では顔が見えない状況で業務を進めることが増える事になります。上司は部下からの報告を待つだけでなく、上司から部下へこまめに声をかけたり進捗状況を確認するなど、それまでにも増して報告・連絡・相談を心がける必要があります。

社内全体で改めてリモートワーク下における業務フローの確認をしましょう。特に新人教育については教育係のフォロー体制も含め、しっかりとしたマニュアルを整備することが必要です。

▼ITツールの導入によるクラウド化
勤怠管理の問題には、WEB上で利用できる勤怠管理システムを導入すれば解決できます。人事評価システムには、進捗把握が可能なプロジェクト管理ツールや目標設定が可能な人事評価システムなどのクラウド型ITツールで対応することができます。こうしたシステムは他の関連する業務もあわせて効率化してくれることが多いので積極的に導入していきたいものです。

▼セキュリティに関する社員教育の徹底と環境整備
リモートワーク下では、今まで社外に持ち出すことのなかった機密情報を社員の自宅で扱わせることになります。そのため、情報管理教育や新しいルールの制定などが必要です。また、導入を考えるITツールや使用するサーバーなどのセキュリティシステムについても、事前に確認することが必要です。





リモートワーク導入時における環境整備の具体事例


実際にリモートワークを導入した企業は、事前にどのような環境整備をしたのでしょうか。具体例をみていきましょう。


▼某業務システム・ECサイト開発会社
裁量労働制が基本の同社ですが、導入したITツール(チケット管理ツール)を見れば、「誰が」「どんな仕事を」「いつ」「どのくらいした」といったことが一目でわかるようになっているため、出社日数に制限を設けることなくリモートワークを導入することができました。

▼インターネット動画配信サービスのソフトウェア開発会社
リモートワーク導入時には、全社員に支給したノートパソコンにウイルス対策ソフトをインストールし、利用する際にはパスワード認証してからログインするように設定。メール及びデータ管理にはクラウド管理システムを利用しており、外部からアクセスする際はIDとパスワード入力が必要というようにセキュリティ確保に重点をおいて導入を開始しました。


このように各企業や業種でリモートワークの導入が広がっています。国も新しい働き方として推進しており、企業に対してテレワークで働く社員を7割に高めることを呼び掛けています。
またリモートワークの導入は、今までの働き方では働くことが難しくあきらめざるを得なかった潜在的な求職者のニーズに応え、有能な人材の確保へとつながるでしょう。求職者側へのアンケートでは、「在宅勤務制度がある」ことを条件にしている求職者が多く今後の優秀な人材確保にはテレワーク制度の導入が必須ともいえるでしょう。