コラム:テレワーク中の監視は必要? テレワーク中の監視は必要?
メリット・デメリット、具体的な方法について解説

テレワーク中の監視は必要?メリット・デメリット、具体的な方法について解説

働き方の多様化が進む現代において、テレワークは多くの企業で導入されています。しかし、オフィスから離れた場所で働く従業員の業務状況をどう管理するかという課題も生じるようになりました。場所を問わない自由な働き方は「業務のブラックボックス化」や「セキュリティリスクの増大」といった新たな課題も生み出しています。

その解決策の一つが「テレワーク監視」です。これは単にサボりを防ぐためだけでなく、業務効率の向上、情報セキュリティの強化、そして公正な人事評価の実現など、企業と従業員の双方にとって重要な目的を持っています。

本記事では、テレワーク監視の必要性から導入する上でのメリット・デメリット、さらに具体的な方法まで網羅的に解説します。



テレワーク監視の必要性

テレワーク監視の必要性

テレワーク監視の必要性について3つのポイントから解説します。

●業務効率や生産性維持のため
●情報セキュリティの強化のため
●労働基準法などの法令遵守のため

それぞれ詳しく見ていきましょう。

業務効率や生産性維持のため

オフィスと違い、テレワークでは上司が部下の働きぶりを直接確認できないことが課題です。監視ツールを使うことで、誰がどのような作業にどれくらいの時間をかけているか、業務が滞っていないかなどを客観的に把握できるようになります。業務の進捗管理が容易になり、適切な業務配分やサポートができるため、生産性の維持や向上に貢献します。

情報セキュリティの強化のため

テレワーク環境では、会社の機密情報や顧客情報が自宅のPCに保存されることも珍しくありません。監視ツールは、不正な操作やデータの持ち出し、不審なアクセスの検知・記録が可能です。その結果、情報漏洩を未然に防ぎ、万が一の際の証拠保全にも役立ちます。また、サイバー攻撃を早期に発見でき、セキュリティリスク低減の効果もあります。

労働基準法などの法令遵守のため

テレワークでは、従業員が「いつ働き始め」「いつ休憩し」「いつ業務を終えたか」を正確に把握するのが困難です。そのため、PCのログイン・ログアウト履歴や操作ログを記録することが、実態に即した労働時間の把握から労働基準法などの法令遵守に繋がるのです。これは、サービス残業の防止や従業員の健康管理の観点からも重要になります。

テレワーク監視のメリット

テレワーク監視のメリット

テレワーク監視は、単なる「見張り」ではなく、企業と従業員の双方に以下のようなメリットをもたらします。

●業務状況の「見える化」
●情報漏洩リスクの早期発見
●客観データに基づく評価と業務改善

それぞれ詳しく見ていきましょう。

業務状況の「見える化」

オフィスでは、上司が部下の様子を見て、業務の進捗や作業内容を把握できたのに対して、テレワークでは同じようにできません。しかし、監視ツールを導入することで、誰が、いつ、どのような作業にどれくらいの時間をかけているかをデータで把握できます。この「見える化」により、業務のボトルネックを発見したり、適切なタスク配分ができたりするのがテレワーク監視の大きなメリットです。また、従業員自身も自分の業務状況を客観的に振り返ることができ、自己管理能力の向上につながります。

情報漏洩リスクの早期発見

テレワーク環境では、会社の機密情報が外部に持ち出されたり、不審なWebサイトにアクセスされたりといったリスクが存在します。従業員が意識しないまま、セキュリティ上の脅威にさらされる可能性もあるのです。監視ツールは、不審なファイル操作や、通常ではアクセスしないようなウェブサイトへの接続などを検知できます。これにより、情報漏洩やマルウェア感染といったセキュリティリスクを早期に発見でき、迅速に対応できるようになるでしょう。

客観データに基づいた評価と業務改善

テレワークは、業務への取り組み姿勢やプロセスを公正に評価することが難しい側面があります。しかし、監視ツールから得られるPCの操作ログや作業履歴は、従業員の働きぶりを客観的なデータとして示してくれるのです。「このプロジェクトにどれくらいの時間を費やしたか」「どのようなツールを頻繁に使っているか」といったデータは、公平な人事評価の根拠となるでしょう。このデータは、個人の業務改善だけでなく、チームや組織全体の生産性向上にも役立ちます。

テレワーク監視のデメリット

テレワーク監視のデメリット

テレワークの生産性向上とセキュリティ強化に貢献する監視システムですが、導入には注意すべきデメリットも存在します。ここでは、監視がもたらす潜在的なリスクについて3つのポイントで解説します。

●従業員のモチベーション低下
●プライバシー侵害の懸念
●導入や運用のコスト

それぞれ詳しく見ていきましょう。

従業員のモチベーション低下

テレワーク監視は、従業員にとって「常に監視されている」という心理的なプレッシャーとなり得ます。このストレスは、業務への主体性を薄れさせ、創造性や生産性の低下につながることも考えられます。さらに、監視の目的や内容が十分に伝わらないと、不信感が募り、優秀な人材の離職率の増加にもつながりかねません。透明性の確保と監視目的(例えばサービス残業の防止)を明確に伝えることが重要です。

プライバシー侵害の懸念

監視ツールによっては、操作ログ(キーボード入力の内容、閲覧したWebサイト、さらにはPCカメラを通じて顔の表情)まで記録されることがあります。このような広範な監視は、プライバシー侵害と認定されると、法律上の問題に発展する可能性もあります。

ただし、弊社のシステムのように、ログオン・ログオフ情報の収集のみに限定し、サービス残業防止の目的で従業員を守るための運用は例外です。監視の範囲を厳密に定め、事前に従業員に明確に伝えるなどして同意を得ることが不可欠です。

導入や運用のコスト

テレワーク監視システムを導入するには、初期費用や月額費用がかかる場合が多いものです。単にツールを導入するだけでなく、運用のためのルール策定、従業員への説明、管理者の教育など、人的なコストも発生します。また、収集した膨大なデータを分析し、業務改善に活かすためには、専門的な知識や人員が必要になる場合もあるでしょう。これらのコストは、中小企業にとって大きな負担となる可能性があります。

具体的なテレワーク監視方法

具体的なテレワーク監視方法

企業が採用しているテレワーク監視方法には様々な種類があり、その監視範囲やプライバシー侵害のリスクも異なります。そこで、監視方法の種類と特徴について5つ紹介します。

●Webサイトの閲覧履歴
●スクリーンショットの定期撮影
●カメラによる監視
●GPSによる位置情報取得
●PCログ取得

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Webサイトの閲覧履歴

従業員が業務時間中に閲覧したWebサイトの履歴を記録し、業務に関係のないサイトへのアクセスを把握する監視方法です。不適切なWebサイトへのアクセスを制限したり、情報漏洩につながる可能性のあるサイトへの接続を早期に検知したりする目的で用いられます。会社のPCでインターネットバンキングや個人のSNSにログインする行為などを防ぐ上で有効です。

スクリーンショットの定期撮影

従業員のPC画面を、一定の間隔(例えば5分ごと)で自動的にキャプチャし、その画像を記録する方法です。従業員が業務中にどのような作業を行っているかを視覚的に把握できます。業務内容の確認や、成果物の進捗状況をチェックする上で有効ですが、プライバシー侵害のリスクが最も高いため、導入には細心の注意が必要です。

カメラによる監視

PCに内蔵されたカメラや外付けのカメラを利用して、従業員の顔や様子を定期的に確認する監視方法です。従業員の安否確認や、勤務中の離席状況を把握する目的で利用されることがあります。しかし、従業員のプライバシーを大きく侵害する可能性があり、強い心理的ストレスを与えるため、導入している企業はまだ少ないのが現状です。

GPSによる位置情報取得

スマートフォンや社用PCのGPS機能を利用して、従業員の現在地を把握する監視方法です。外出を伴う営業やフィールドワークなどの業務において、従業員の移動状況を確認するために利用されます。従業員の安否確認やルートの最適化に役立ちますが、個人のプライベートな行動まで把握される可能性があるため、利用目的や取得範囲を明確にする必要があります。

PCログ取得

PCのログイン・ログオフ情報や操作履歴といったPCログを取得する方法は、従業員の業務内容や作業量を客観的なデータとして示すため、人事評価や業務改善の根拠となります。不正な操作や情報持ち出しの疑いがある場合に、証拠として利用されることもあるでしょう。例えば、弊社のez-PCLogger(イージーピーシーロガー)は、ログイン・ログオフの情報を取得することでサービス残業の防止に役立っています。

まとめ

まとめ

テレワーク監視は、従業員と企業が互いに信頼関係を築きながら、安全で効率的な働き方を実現するための手段です。情報セキュリティの強化や業務状況の「見える化」といったメリットがある一方で、従業員のプライバシーやモチベーションへの配慮が不可欠といえます。

監視ツールを導入する際には、その目的を明確に従業員に説明し、ルールを厳格に定め、透明性を保つことが成功の鍵となります。正しい方法で活用すれば、テレワーク監視は単なる管理ツールにとどまらず、企業と従業員の成長を支える強力なパートナーとなるでしょう。

ez-PCLogger(イージーピーシーロガー)は、テレワークや時差出勤にも対応できるクラウド型PCログサービスです。勤怠状況の把握だけでなく自己申告との乖離もチェックでき、サービス残業や長時間労働の防止に役立ちます。

スタートアップ企業から大企業まで様々な企業が導入しており、各種勤怠管理システムとの連携も可能です。PCのログオンとログオフ時刻の記録を管理することで、テレワークにも対応します。1か月無料でお試しできるので、お気軽にお問い合わせください。

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