PCログを用いた勤怠管理とは?
近年、テレワークの普及や働き方改革の推進により、従業員の労働時間を正確に把握することの重要性が高まっています。従来のタイムカードや自己申告による勤怠管理だけでは「見えない残業」や「申告の漏れ」といった課題に対応しきれないケースが増えているからです。特に、オフィス外での勤務が常態化する中で、企業は労働基準法や労働安全衛生法などの法令を遵守する責任を客観的なデータに基づいて果たすことが求められています。そこで、労務リスクの低減と健全な労働環境の構築を実現する手段として、注目されているのがPCログデータ(PC操作ログ)を活用する勤怠管理です。
PCログは、単に打刻の代わりになるだけでなく、実態に即した労働時間を把握するための強力なツールとなります。この客観的なデータ活用は、企業が負うべき安全配慮義務を果たす上でも極めて重要です。本記事では、PCログとは何かという基本から、それを勤怠管理に活用する具体的なメリットや種類について詳しく解説します。貴社の労務管理をより正確で健全なものにするための参考にしてください。
PCログデータを勤怠管理に活用するためには、その特徴を正しく理解する必要があります。そこでPCログの持つ主要な特徴2点を以下のとおり解説します。
●ログオン・ログオフ時刻を記録する
●業務時間の可視化ができる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
PCログは、従業員が業務用PC上で実行した一連の操作履歴や状態変化を時系列で記録した電子データです。最も基本的な機能は、PCへのログイン(ログオン)時刻とログアウト(ログオフ)時刻を記録することです。従業員がPCを操作可能な状態にした時間と、終了した時間を自動的かつ客観的に把握できます。このデータは、管理者から見えづらい労働実態を明確にするのに役立ち、不正行為やサービス残業を防ぐために効果を発揮します。また、労働時間の適正な把握を求める厚生労働省のガイドラインにも合致する、信頼性の高い記録方法です。
PCログは、各PCにログ収集プログラムをインストールして収集できます。パソコンのオンオフの履歴だけでなく、スリープオン/スリープオフの情報も収集できるため、実際に稼働していた時間(アクティブ時間)も計測可能です。PCを起動したまま放置している時間(アイドル時間)とキーボードやマウスが操作中の稼働時間(アクティブ時間)を区別することで、自己申告や打刻時刻よりも実態に近い労働時間を把握できます。管理が難しいテレワークやリモートワークの労働実態の把握に役立ちます。
自己申告に依存しない正確な労働時間の把握は、企業が法令を遵守し、従業員の健康を守るうえで不可欠です。PCログを勤怠管理に取り入れることは、現代の労務管理において多くの利点をもたらします。ここでは、PCログの主要なメリットを5つ紹介します。
●客観的記録になる
●操作ログ
●潜在的な時間外労働(サビ残)を防ぐ
●リモート勤務(テレワーク)の勤怠管理にも役立つ
●IPO審査の参考データに利用できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
厚生労働省は、労働時間の把握のために必要な「客観的な記録」のひとつとして、PCログデータを推奨しています。従来のタイムカード方式や自己申告方式では、時間報告の誤りや不正を防ぎきれませんでした。しかし、PCログは、実際の稼働時間が記録として残るため、客観的証拠として活用できます。このデータは、労働時間に関する労使間の認識の違いを防ぎ、トラブル発生時の証拠としても役立ちます。
参考サイト:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
参考サイト:労働安全衛生規則第52条の7の3
退勤打刻後や休日にもPCの稼働ログが残っていれば、潜在的な時間外労働を検知できます。さらに、PCログデータと自己申告の打刻時刻を照合することで、虚偽の申告やカラ残業(業務実態がないのに残業すること)も明るみになります。また、従業員にログ記録の活用を周知することで、虚偽の打刻の抑止効果も期待できるでしょう。
退勤打刻後や休日にPCが稼働しているかを把握できるため、サービス残業(サビ残)の可能性を早期に発見できます。異常を発見した場合、データをもとに本人にヒアリングしたり、サビ残を是正するための措置を取ったりなどの対策が取れます。結果的に、従業員の健康管理やワークライフバランスの向上にもつながるでしょう。
ログオン・ログオフ時刻やアクティブ時間(実際にPCを操作していた時間)の把握は、管理者の目が行き届きにくい在宅勤務の勤怠管理に役立ちます。テレワークやリモートワークのような直接確認ができない労働形態において、統一された基準で管理できることを意味します。地方や海外にいる優秀な人材でも勤怠管理が可能になり、採用にもプラスです。
新規株式公開(IPO)に向けた審査など、企業の信頼性を高めるためにも有効な手段です。企業の内部統制や労務管理体制の健全性が問われる場面で、PCログは客観的な管理体制の証明として利用できるからです。また、労働トラブル発生時にも、適正な労働時間管理を行っていた証明として機能します。
PCログデータをどのように収集し、勤怠管理に組み込むかは、導入するシステムによって異なります。目的や企業の規模、予算に応じて最適な収集方法を選ぶことが、PCログ活用成功の鍵となるでしょう。ここでは、一般的なPCログの収集方法を2つご紹介します。
OS(Windowsなど)に標準搭載されているOS標準機能(イベントビューア機能)などを利用して、手動でログオン・ログオフ履歴などを抽出する方法です。ただし、大量のPCから継続的に収集・分析するためには、専門知識が必要になり非効率な場合があります。
PCの操作(ファイル操作、Web閲覧、アプリ起動など)を詳細かつ継続的に収集・一元管理するための専用ツールを導入します。ただし、セキュリティ監視目的のツールだと、勤怠管理に特化していない場合もあります。導入前に、勤怠管理への活用が可能か確認しましょう。
PCログは、テレワーク時代の客観的な労働時間管理を実現し、法令遵守と従業員の健康管理に欠かせない機能といえます。上場を見据えて勤怠管理システムの導入を検討している企業であれば、どのシステムを導入すべきか迷っているかもしれません。ez-PCLogger(イージーピーシーロガー)は、PCのログオン・ログオフ情報収集に特化したクラウドサービスです。勤怠状況の把握だけでなく自己申告との乖離もチェックでき、サービス残業や長時間労働の防止に役立ちます。スタートアップ企業から大企業まで様々な企業が導入しており、既存の各種勤怠管理システムとの連携も可能です。まずは1か月無料でお試しいただけますので、貴社の健全な労務管理体制構築に向けて、お気軽にお問い合わせください。